第7章  業績

2003年度から2022年度までの20年間の当社の業績(事業収入)推移について俯瞰したグラフは下のとおりである。(以下、年度を年と表記)

大きく2003年~2010年、2011年~2014年、2015年~2022年に分けて、それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のとおりである。

 (1) 2003年~2010年

   事業収入は22億円~25億円とほぼ安定している。

   また事業の柱は、九州電力設備保全、同建設、報道の3事業で、その他ドクターヘリ、受託運航などとなっている。

   この期間は2008年9月に発生したリーマン・ショックの影響もほとんど見られず、九州電力建設の年度毎の増減はあるものの、

   平均して事業収入の56.5%(建設19.7%、設備保全36.8%)が九州電力関連事業、

   25.1%が報道関連事業であり、これらで全体の81.6%を占めていた。

   また、九州電力以外の収入の割合(以下、一般比率という)は2013年で37%、期間平均で43%であった。

 (2) 2011年

   2011年3月に発生した東日本大震災を契機とした九州電力関連建設の大幅な減少(前年度比△93.3%)により、

   事業収入は19.5億円と前年度比△4.9億円となり、経常収支も△43百万円と9年振りの経常損失に陥った。

   また、一般比率は57%であった。

 (3) 2012年~2013年

   東日本震災による事業収入の落ち込みは、2012年からの建設事業の急速な回復とともにドクターヘリ事業が

   2012年1月熊本県、4月宮崎県、10月大分県と拡大したことなどにより、事業収入は一挙に29.0億円に拡大した。

   この期間は、その後に続く事業の4本柱(九州電力設備保全、同建設、ドクターヘリ、報道)が確立した時期であった。

   また、2013年の一般比率はドクターヘリ事業の拡大により57%となった。

 (4) 2014年~2022年

   事業収入は35億円前後でほぼ安定した状態が続いているが、この期間は、2014年~2017年の前半、

   2018年以降の後半で大きく特徴が異なっている。

   期間前半は2015年6月の50万ボルト日向幹線新設工事に伴うヘリ物輸の開始ほかにより、

   九州電力建設が2014年には最大10.4億円まで増加するなど建設事業の寄与が非常に大きく九州電力設備保全、同建設、

   ドクターヘリ、報道の4本柱で事業収入の90%以上を占めていた。

   期間後半は日向幹線新設工事のヘリ物輸の減少・終了以降、従来の大規模な送電線新設工事から

   鉄塔建替・撤去工事に移行したことに伴い建設事業が急速に減少している。

   一方、期間全体を通して設備保全、ドクターヘリ、報道の3事業は安定して推移した。

   また、山口県消防防災ヘリの受託運航、受託整備ほか、一般売上げ拡大分野として注力している事業収入が徐々に増加して

   建設事業の落ち込みをカバーしており、この結果、2022年で一般比率は74%に達している。

   なお、九州内では当分の間、大規模な送電線建設計画がないことから、今後もこの傾向が続くと想定している。

 2003年からの10年間の事業の推移

(1)2003年

  送電線巡視、空中架線などの保全業務が大幅に減少する中で、50万ボルト小丸川幹線工事については順調に進捗した。

  また、電力以外の事業については、㈱エースヘリコプターの事業撤退に伴い、

  2002年(平成14年)12月に九州朝日放送㈱及び南九州5放送局を新たに獲得し収入源確保ができた。

  収入面では、送電線巡視、空中架線及び写真撮影等の電力関連事業は減少したが、

  2002年度に新たに獲得した報道取材の増加などにより、売上高は前期に比べ5.6%増の23億78百万円となった。

  

(2)2004年

  通常の送電線巡視、視察調査などの業務が大幅に減少する中で、50万ボルト小丸川幹線工事が順調に進渉し、

  また、相次いで上陸した台風通過後の非常巡視が大幅に増加した。

  一方、電力以外の事業については、2004年8月宮崎県防災救急ヘリの運航受託を落札した。

  また、朝日・読売両新聞社社有機のセスナ格納庫賃貸契約に努めた。

  収入面では、通常の送電線巡視、薬剤散布、視察調査等は減少したが、小丸川幹線工事・海崎線工事等の資材輸送の増加、

  台風通過時の非常巡視や人員輸送等電力関連事業の増加、宮崎県防災救急ヘリ運航受託、

  セスナ格納庫賃貸契約の増加などにより24億62百万円と、前期に比べ85百万円(3.6%)の増収となった。

  支出面では、整備費等は増加したが、ベル412のリース満了に伴う賃借料及び他社委託費等の減少により、

  営業費用は23億43百万円と、前期に比べ3百万円(△0.1%)減となり、これに営業外損益を加えた経常利益は1億41百万円と、

  前期に比べ90百万円(176.3%)の大幅な増益となった。


(3)2005年

  電力関係では,台風14号による災害関連の巡視業務が当初計画より増加したが、

  小丸川幹線鉄塔工事の完了に伴い,資材輸送業務が大幅に減少した。

  一方、電力以外の事業については、売上げ拡大に努めたが、僅かな増加にとどまった。

  さらに、整備等の技術力を生かし、受託整備事業に参入するため、経済産業省へ航空機製造事業法による許可を得るよう折衝を重ねた。

  収入面では、整備事業、台風災害による視察調査、航測写真等が増加したが、小丸川幹線鉄塔工事完了に伴う減少額が大きく、

  営業収益は24億6百万円と、前期に比べ56百万円(△2.3%)の減収となった。

  支出面では、航空機リース機1機解約による賃借料や小丸川幹線鉄塔工事完了による資材輸送関連費用及び整備費の減少により、

  営業費用は22億38百万円と前期に比べ、1億5百万円(△4.5%)減少した。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は1億70百万円と、前期に比べ、29百万円(20.6%)の増益になった。

  また、当期純利益は、長期繰延税金資産の計上により、2億97百万円と前期に比べ、2億51百万円の大幅な増益となった。


(4)2006年

  九州電力の設備投資、コスト削減等の影響を大きく受け、さらに台風災害の減少により資材輸送、送電線巡視が大幅に減少した。

  2005年から折衝を続けてきた航空機製造事業法に基づく整備修理事業(経済産業省所管)については、許認可を得て1機受注することができた。

  収入面では、緑化事業や送電線映像点検が増加したが、台風災害復旧に伴う非常巡視、

  資材輸送の減少や小丸川幹線鉄塔工事完了に伴う減少が大きく、営業収益は22億78百万円と、前期に比べ1億28百万円の減収となった。

  支出面では、航空機リース機2機解約による賃借料や小丸川幹線架線工事完了による費用の減少はあったが、

  整備費や減価償却費の増加により、営業費用は22億60百万円と前期に比べ、22百万円増加した。

  これに、営業外損益を加えた経常利|益は31百万円と、前期に比べ、1億38百万円の減益になった。

  また、当期純利益は、長期繰延税金資産の減少により、29百万円と前期に比べ、2億68百万円の大幅な減益となった。


(5)2007年

  電力関係事業は、2006年度に着手した北九州幹線資材輸送工事等が本格化するとともに、送電線航測写真が増加した。

  福岡の一部の局とは、放送デジタル化に伴い機体更新の契約が整い、2009年7月、新機体を導入することになった。

  収入面では、薬剤散布などは減少したが、北九州幹線工事による資材輸送や航測写真など電力事業の増加により、

  営業収益は24億11百万円と、前期に比べ1億33百万円の増収となった。

  支出面では、人件費、賃借料が減少したが、航測写真費、整備費及び減価償却費等の増加により、

  営業費用は23億14百万円と前期に比べ、54百万円増加した。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は1億21百万円と、前期に比べ、89百万円の増益になった。

  また、当期純利益は、67百万円と前期に比べ、38百万円の増益となった。

    

(6)2008年

  2006年度に着手した北九州幹線工事の本格化に伴い、資材輸送が増加したが、台風災害などに伴う送電線巡視の減少、

  さらには送電線映像点検業務の一巡により、写真撮影が大幅に減少した。

  収入面では、資材輸送、受託整備、報道取材等が増加したが、写真撮影、薬剤散布、送電線巡視等が大幅に減少したことにより、

  営業収益は22億40百万円、前期に比べ1億70百万円の減収となった。

  支出面では、他社委託費、整備費、賃借料等の減少により、営業費用は21億51百万円、前期に比べ1億62百万円減少した。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は1億28百万円、前期に比べ7百万円の増益となり、

  さらに航空機売却による特別利益等により当期純利益は、1億21百万円、前期に比べ53百万円の増益となった。


(7)2009年

  北九州幹線新設工事がピークを迎え、資材輸送が増加したが、運航及び整備関係の受託業務等が減少した。

  また、南九州における報道取材受託業務2契約の内、1契約が解約となり、これに伴い鹿児島運航所を縮小した。

  営業の取組みとしては、地上波テレビ放送のデジタル化に伴い

  報道取材機1機をベル427から新型のBK117C2へ更新するとともに単年度契約から長期契約へ改定した。

  また、以前から進出を計画していた国土交通省九州地方整備局へリコプターの維持・運航業務について準備を進め、2010年3月に受託した。

  収入面では、運航・整備受託等が減少したが、資材輸送、航測写真等が増加したことにより、

  営業収益は25億8百万円と、前期に比べ2億67百万円の増収となった。

  支出面では、賃借料、人件費が減少したものの、減価償却費、他社委託費等が増加したことにより、

  営業費用は21億78百万円、前期に比べ26百万円増加した。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は3億23百万円と、前期に比べ1億94百万円の増益となり、

  当期純利益は、1億88百万円と、前期に比べ67百万円の増益となった。


(8)2010年

  2010年4月より新たに国土交通省九州地方整備局ヘリコプターの受託運航を開始した。

  また、北九州幹線資材輸送がピークを過ぎたため、資材輸送量は減少した。

  営業の取組みとしては、2011年度より順次運航を開始する予定の九州各県のドクターヘリ事業に対して積極的な営業活動を行い、

  2011年3月に熊本県ドクターヘリを受注した。

  収入面では、運航・整備受託、送電線巡視等が増加したが、資材輸送、航測写真、薬剤散布(緑化工事等)が減少したことにより、

  営業収益は24億40百万円と、前期に比べ67百万円の減収となった。

  支出面では、他社委託費、賃借料等が減少したものの、整備費、減価償却費等が増加したことにより

  営業費用は22億5百万円、前期に比べ26百万円増加した。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は2億30百万円と、前期に比べ92百万円の減益となり、

  当期純利益は、1億35百万円と、前期に比べ53百万円の減益となった。


(9)2011年

  九州地区ドタターヘリ3地点(熊本、宮崎、大分県)の受注に成功し、2012年1月より熊本県ドタターヘリの運航を開始した。

  しかしながら、北九州幹線工事竣工に伴い資材輸送量が激減した。

  収入面では、救急医療、写真撮影、報道取材等が増加したが、資材輸送、空中架線、視察調査等が減少したことにより、

  営業収益は19億5 0百万円と、前期に比べ4億90百万円の大幅減収となった。

  支出面では、事業拡大等に伴う機体等の減価償却費、賃借料等が増加したものの、整備費、他社委託費等が減少したことにより、

  営業費用は20億77百万円、前期に比べ1億27百万円の減少となった。

  これに、営業外損益を加えた経常損失は43百万円と、前期に比べ2億74百万円の減益となり、

  当期純損失は、68百万円と、前期に比べ2億3百万円の減益となった。


(10)2012年

  2012度は、福岡、熊本県に続き、宮崎、大分県ドクターヘリの運航を開始した。

  電カサポート事業の資材輸送については、東福岡新幹線等の工事が開始され、前年度を大幅に上回る運搬量を確保することができた。

  営業の取組みとしては、新規事業として長崎離島医師搬送システムの運航業務を受託した。

  この結果、収入面では、薬剤散布、写真撮影、送電線巡視等が減少したが、

  救急医療、資材輸送、報道取材等が増加したことにより、営業収益は25億32百万円と、前期に比べ5億82百万円の増収となった。

  支出面では、航測写真費等が減少したものの、事業拡大等に伴う機体等の減価償却費、整備費等が増加したことにより、

  営業費用は24億59百万円と、前期に比べ3億82百万円の増加となった。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は2億86百万円と、前期に比べ3億30百万円の増益となり、

  当期純利益は、1億75百万円と前期に比べ2億43百万円の増益となった。

 2013年からの10年間の事業の推移

(1)2013年

  ドクターヘリ事業の受託拡大に関して、九州地区で最後となる佐賀県での運航を2014年1月から開始するなど、

  九州内5か所で事業を行うこととなった。

  電カサポート事業では、引き続き九州電力の設備投資抑制、コスト削減等の影響を受けたが、

  当期は送電線工事等に係る資材輸送が回復して、前年を上回る実績を上げた。

  収入面では、一部報道機関の契約終了に伴い報道取材等が減少したが、資材輸送及び救急医療等が増加したことにより、

  営業収益は29億3百万円と、前期に比べ3億70百万円の増収となった。

  支出面では、整備費や賃借料等が減少したものの、他社委託費や人件費等が増加したことにより、

  営業費用は26億29百万円と、前期に比べ1億69百万円の増加となった。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は3億73百万円と、前期に比べ87百万円の増益となり、

  当期純利益は、2億21百万円と、前期に比べ46百万円の増益となった。


(2)2014年

  電カサポート事業では、引き続き九州電力の設備投資抑制、コスト削減等の影響を受けたが、

  当期は送電線工事等に係る資材輸送の増加等により、前年を上回る実績を上げた。

  売上高は、資材輸送及び救急医療等が増加したことにより、34億98百万円と、前期に比べ5億95百万円の増収となった。

  営業費用は資材輸送の外部委託費が増加したことなどにより、31億24百万円と、前期に比べ4億95百万円の増加となった。

  これに、営業外損益を加えた経常利益は3億85百万円と、前期に比べ11百万円の増益となったが、

  当期純利益は2億15百万円と、前期に比べ6百万円の減益となった。


(3)2015年

  経営基盤の強化を図るベく取り組んできたドクターヘリ事業について、九州内5県の運航を受託するなど確実な成果を収めた。

  電カサポート事業では、当期は2014年7月に本格着工した大型送電線新設工事に係る資材輸送の増により、前年を上回る実績を上げた。

  売上高は、大型送電線新設工事の資材輸送が増加したことなどにより、前期に比べ1億26百万円増の36億25百万円となった。

  営業費用は受託整備費などが減少したものの、新規資材輸送機取得による減価償却費が増加したことなどにより、

  前期とほぼ横ばいの30億69百万円となった。

  この結果、営業利益は5億55百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は6億66百万円と前期に比べ2億81百万円の増となった。

  当期純利益は、当社板付基地の移転が明確になったことにより、板付基地の撤去費用見積額99百万円を

  特別損失に計上したこと等から3億60百万円となり、前期に比べ1億44百万円の増で、当社創立以来の最高益となった。


(4)2016年

  電カサポート事業では、前期に引き続き大型送電線新設工事の資材輸送が最盛期であり、ほぼ前年並みの実績を上げた。

  収支については、売上高は、熊本地震による非常巡視他の増加や、接近樹木調査の増加があるものの、

  資材輸送や臨時巡視の減少により、前期に比べ64百万円減となったものの35億61百万円となり、2期連続で35億円を超えた。

  営業費用は資材輸送機のメジャー点検により整備費が増加したことなどにより、前期に比べ2億85百万円増の33億54百万円となった。

  この結果、営業利益は2億6百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は3億14百万円と前期に比べ3億52百万円の減となり、

  当期純利益は2億21百万円と前期に比べ1億38百万円の減となった。


(5)2017年 

  電カサポート事業では日向幹線新設工事の資材輸送が終盤に差し掛かったことなどから売上高は減少したが、

  全体の売上高はほぼ前年並みの実績を上げた。

  売上高は、ドクターヘリ運航業務契約額の増加がある一方で、日向幹線新設工事等の送電線鉄塔建設用資材輸送などが減少したことにより、

  前期に比べ22百万円減となったものの35億38百万円となり、3期連続で35億円を超えた。

  営業費用は他社委託費などが減少したことなどにより、前期に比べ2億1百万円減の31億53百万円となった。

  この結果、営業利益は3億85百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は4億8百万円と前期に比べ94百万円の増となり、

  当期純利益は2億81百万円と前期に比べ60百万円の増となった。


(6)2018年

  一般事業のドクターヘリ・報道ヘリの主要事業ならびに運航受託機の整備他において確実な成果を収めたことにより、

  九州電力の日向幹線新設工事の資材輸送が減少したものの、全体の売上高は、35億55百万円となり4期連続で35億円を確保した。

  売上高は、九州電力の日向幹線新設工事の資材輸送などが減少したものの、航空測量や受託整備などの増加により、

  前期に比べ16百万円増の35億55百万円となった。

  営業費用は減価償却費や整備費などが増加したことなどにより、前期に比べ1億35百万円増の32億88百万円となった。

  この結果、営業利益は2億66百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は3億63百万円と前期に比べ45百万円の減となり、

  当期純利益は2億49百万円と前期に比べ32百万円の減となった。


(7)2019年 

  九州電力からの受注が減少する中で、九州内及び本州方面の資材輸送の受注拡大、レーザー測量や受託整備の受注継続、

  山口県消防防災ヘリコプター運航業務の開始等によって、全体の売上高は35億68百万円を確保し、5期連続で35億円を達成した。

  売上高は、九州電力の日向幹線新設工事の資材輸送などが減少したものの、

  山口県消防防災ヘリコプター運航業務や一般資材輸送などの増加により、前期に比べ13百万円増の35億68百万円となった。

  営業費用は人件費や受託整備費などが増加したことにより、前期に比べ1億44百万円増の34億33百万円となった。

  この結果、営業利益は1億35百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は1億88百万円と前期に比べ1億74百万円の減となり、

  当期純利益は1億44百万円と前期に比べ1億4百万円の減となった。


(8)2020年

  九州電力(「九州電力送配電」を含む。以下同じ)からの受注が減少する中で、九州内及び本州方面の資材輸送の受注拡大、

  レーザー測量や受託整備の受注継続及び県警察航空隊操縦士・整備士ほかの受託訓練の獲得等によって、

  全体の売上高は35億8百万円を確保し、6期連続で35億円を達成した。

  売上高は、県警察航空隊操縦士・整備士ほかの受託訓練などが増加したものの、

  ヘリコプター新規組立受託や接近樹木調査などの減少により、前期に比ベ60百万円減の35億8百万円となった。

  営業費用は、ヘリコプター新規組立に伴う受託費などが減少したものの、会社移転に伴う建物減価償却費などが増加したことにより、

  前期に比べ25百万円増の34億58百万円となった。

  この結果、営業利益は49百万円、これに営業外損益を加えた経常利益は66百万円と前期に比べ1億21百万円の減となり、

  当期純利益は44百万円と前期に比べ1億円の減となった。


(9)2021年

  九州電力(「九州電力送配電」を含む。以下同じ)からの受注が大幅に減少する中で、九州内及び本州方面の資材輸送の受注拡大、

  受託整備の受注拡大並びに県警察航空隊操縦士ほかの受託訓練の獲得等に取り組んだものの、

  売上高は34億18百万円となり、7期ぶりに35億円を下回った。

  売上高は本州・四国の電力資材輸送及び一般の資材輸送並びに受託整備などが増加したものの、

  九州電力資材輸送、空中架線及びレーザー測量の減少により、前期に比べ90百万円減の34億18百万円となった。

  営業費用は、整備費などが減少したものの、2022年度からの消防防災ヘリコプター操縦士2名搭乗義務化への対応や

  定年退職者補充に伴う操縦資格の追加取得により訓練費が増加したこと、

  受託整備機の部品交換ほかに伴い受託費が増加したことなどにより、前期に比べ1億10百万円増の35億69百万円となった。

  この結果、営業損失は1億50百万円となり、これに営業外損益を加えた経常損失は1億68百万円と前期に比べ2億35百万円の減となった。

  なお、当期は整備引当金の廃止に伴う全額取り崩しにより特別利益が5億99百万円発生し、

  一方、板付基地撤去に伴う資産除去債務を追加計上したことにより特別損失が69百万円発生した。

  この結果、当期純利益は2億51百万円と前期に比べ2億6百万円の増となった。


(10)2022年

  九州内及び本州方面の資材輸送の受注拡大、受託整備の受注拡大並びに県警察航空隊操縦士ほかの

  受託訓練の獲得等に取り組んだ結果、売上高は前年度を上回った。

  売上高は本州方面の資材輸送、九州電力の送電線巡視、接近樹木調査が減少したものの、受託整備における新造機組立て案件などの獲得及び

  レーザー測量の受注増加、並びに救急医療などの増加により、前期に比べ29百万円増の34億47百万円となった。

  営業費用は、国際情勢や為替レートの影響による資機材価格、燃油費の上昇など厳しい状況となったが、

  機体のリースアップによる減価償却費減少やコスト削減などにより、前期に比べ3億30百万円減の32億38百万円となった。

  この結果、営業利益は2億8百万円となり、これに営業外損益を加えた経常利益は2億10百万円と前期に比べ3億78百万円の増となり増収増益となった。

  なお、当期は板付基地事務所棟、格納庫棟の撤去による除却損及び土壌汚染の対策工事に伴う資産除去債務を特別損失に計上したことや

  前期に発生した整備引当金廃止全額取り崩しによる特別利益の反動減などにより、当期純利益は前期に比べ1億60百万円減の90百万円となった。